#08 東南アジア「お釣りがない」問題

【旅エッセイ】旅あるある

旅エッセイです。


東南アジア「お釣りがない」問題。

タイ,ベトナム、
そしてバリ。

私は何度も行って、遭遇率はかなり高い。体感データだけど、まあまあ信頼できる数字。

配車アプリを使うとき、私は基本、現金払い。
クレジット払いもできる。わかってる。便利なのも知ってる。

でも、なんとなく現金のほうが旅っぽいから。

で、到着する。
支払いのタイミング。

「お釣りがない。」

出た、これ。

旅あるある。

金額は本当に、たかが数十円。
百円未満。

大した額じゃない。
正直、どうでもいいと言えばどうでもいい。

でもね。

最初から「ない」と言われると、なんかちょっとだけモヤっとする。

きっと、このお釣りちょうだいよ、ってことなんだと思う。
日本人はチップをあまり払わない、って思われてるのかもしれない。
本当のところはわからないけど、そんな空気はある。

私は、安全運転してくれて、ちゃんとお釣りを出そうとしてくれる人には、普通にチップを渡す。

「ありがとうね。」って。

それは気持ちよく払えるお金。

でも、最初から「ない」と言われると、こっちも少し意地悪になる。

「あ、じゃあ待ってて。モールで両替してくるね。」

そう言うと、不思議なことに出てくる。

あったんか〜い。

怒っているわけじゃない。
ただ、少しだけ気持ちが揺れる。

せっかくの移動時間なのに、ほんの数十円で空気が変わる。

でも同時に思う。

ああ、東南アジアに来たな。

この感じ。
この生活感。
この、小さなリアル。

そして、きっと言われる。

「それが嫌ならクレジット払いにすればいいじゃん。」

うん、わかってる。
本当にその通り。

ボタンひとつで終わる。
お釣り問題も、心理戦も、全部ゼロ。

でも、それじゃないんだよね。

現金を出して、
お釣りを出そうとする仕草を見る。
「ない」と言われて、ちょっと空気が揺れる。

その、生身のやり取りごと味わいたい。

面倒くさい。
矛盾してる。

でも、旅ってそもそも効率を求めるものじゃない。

非効率を楽しむ冒険。

だから今日も私は、
小銭を握って車に乗る。

学習しているのに、あえて選ぶ現金払い。

それもまた、旅あるある。


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