旅エッセイです。
東南アジア「お釣りがない」問題。
タイ,ベトナム、
そしてバリ。
私は何度も行って、遭遇率はかなり高い。体感データだけど、まあまあ信頼できる数字。
配車アプリを使うとき、私は基本、現金払い。
クレジット払いもできる。わかってる。便利なのも知ってる。
でも、なんとなく現金のほうが旅っぽいから。
で、到着する。
支払いのタイミング。
「お釣りがない。」
出た、これ。
旅あるある。
金額は本当に、たかが数十円。
百円未満。
大した額じゃない。
正直、どうでもいいと言えばどうでもいい。
でもね。
最初から「ない」と言われると、なんかちょっとだけモヤっとする。
きっと、このお釣りちょうだいよ、ってことなんだと思う。
日本人はチップをあまり払わない、って思われてるのかもしれない。
本当のところはわからないけど、そんな空気はある。
私は、安全運転してくれて、ちゃんとお釣りを出そうとしてくれる人には、普通にチップを渡す。
「ありがとうね。」って。
それは気持ちよく払えるお金。
でも、最初から「ない」と言われると、こっちも少し意地悪になる。
「あ、じゃあ待ってて。モールで両替してくるね。」
そう言うと、不思議なことに出てくる。
あったんか〜い。
怒っているわけじゃない。
ただ、少しだけ気持ちが揺れる。
せっかくの移動時間なのに、ほんの数十円で空気が変わる。
でも同時に思う。
ああ、東南アジアに来たな。
この感じ。
この生活感。
この、小さなリアル。
そして、きっと言われる。
「それが嫌ならクレジット払いにすればいいじゃん。」
うん、わかってる。
本当にその通り。
ボタンひとつで終わる。
お釣り問題も、心理戦も、全部ゼロ。
でも、それじゃないんだよね。
現金を出して、
お釣りを出そうとする仕草を見る。
「ない」と言われて、ちょっと空気が揺れる。
その、生身のやり取りごと味わいたい。
面倒くさい。
矛盾してる。
でも、旅ってそもそも効率を求めるものじゃない。
非効率を楽しむ冒険。
だから今日も私は、
小銭を握って車に乗る。
学習しているのに、あえて選ぶ現金払い。
それもまた、旅あるある。


コメント