#06 世界は広い、トイレットペーパーは短いけれど。

【旅エッセイ】旅あるある

旅エッセイです。

海外のホテルに着いて、
部屋に入って、スーツケースを置く。
そして、トイレを見る。

……あれ?

トイレットペーパーが、短い。
いや、短いというか、もう終わりかけみたいな顔をしている。
この量だったら、絶対足りなくなる。

だから私は、すぐにフロントに行く。
トイレットペーパーが少ないので、
もう一つもらえますか、って伝えに行く。

ホテルの人は、慣れた様子で「OK」と言う。
しばらくすると、部屋まで持ってきてくれる。

トントン、とノック。
はい、どうぞ。

受け取った瞬間、私は一瞬で悟る。

……ああ。
あの子、新品だったのね。

さっき「もう終わり?」と思ったあのトイレットペーパー。
あれ、最初からこの量だった。
今手渡された新品のロールも、同じサイズ。

芯は極太で、巻きはこんだけ。
これが新品。

その場で全部、理解する。
世界は広いけど、
トイレットペーパーは、こういうものなんだって。

旅あるある。

中国だけじゃない。
タイも、バリも、マレーシアも、ベトナムも。
だいたい、どこも短い。
これが世界基準なんだと思う。

気になりすぎて、私はスーパーにも行った。
地元の人が買い物をする、スーパー。
並んでいるトイレットペーパーを見て、さらに納得する。

やっぱり、日本の巻きは、ここにはない。

これは不満じゃなくて事実。

世界には、トイレットペーパーがあるだけでありがたい街もあるし、
流せないトイレだって、ぜんぜん普通。
必要な人は、自分で持ってくる。

だから、日本だけが少し違う。
良い意味で。

紙があって、
流せて、
詰まらなくて、
しかも巻きが長い。

そんな環境が、
「まあ普通でしょ?」みたいな顔をして存在している。

日本にいたときは、気づかなかった。
海外に出て、ようやく分かる。

今日も私は、
海外のホテルのトイレで、
短い新品のトイレットペーパーを見ながら思う。

世界は広い、
トイレットペーパーは短いけれど……

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