旅エッセイです。
予算はある。
行っていい。
なのに、ポチれない。
これが今の私。
時間があれば、航空券を探している。
スカイスキャナーを開いて、Googleフライトも一応見る。
「これ、安いよね」と思って、いったん閉じる。
戻ったときには、その安さはもういない。
旅あるある。
宿も同じ。
条件は悪くない。
立地もいい。
レビューも読んだ。
なのに、最後のボタンだけ押せない。
ケチなのかと言われると、たぶん違う。
使っていい額はある。
実際、私は毎月のように海外に出ている。
それでも、この“ポチれない時間”は毎回やってくる。
でもね、もう気づいている。
私は止まっていない。
たぶん今月末も、
私は昔行ったことのある香港を思い出しながら、
あの街を歩いている。
湿った空気、ネオン、
トランジットの合間に飲んだ、あのカフェラテ。
そして同時に、
バリのワルンでナシチャンプルを食べている。
何を頼むか、何を指差すのか迷いながら、
結局選ぶのは、
あの大きなお肉と、野菜たっぷりのナシチャンプル。
「ああ、これこれ」って思っている。
予約はしていないのに、
頭の中では、もう完全に出発している。
ポチれない時間は、
迷っている時間じゃなくて、
旅が静かに始まっている時間なのかもしれない。
今日も私は、
スカイスキャナーとGoogleフライトを行ったり来たりしながら、
まだ確定していないはずの旅を、
もう一足先に歩いている。

tabi-fa
結局いつも、最後に決めてるのは感情なの。
行きたいなって、頭の中で旅してる時間は、それはそれで楽しいからいい。
でもね、この目で見て、この足で歩いて、
あの景色を空気ごと吸いに行きたいと思った瞬間、
私はだいたい、そのままポチッとしてる。

chappii




コメント